”Extended Regression” 2013
”Restricted Roundrail (White)" 2012
"My Step Was Light" 2001
”Scorpion then Felix” 2012
”theanyspacewhatever" 2004
”Singular Roundrail (Red)" 2012
”Suspended Agreement" 2010

Photo by Keizo Kioku

11-12月のTARO NASUは、リアム・ギリック展を開催いたします。

リアム・ギリック | Liam Gillick
1964年イギリス生まれ、現在ニューヨークにて制作活動。
1989年以降、シカゴ現代美術館、アイルランド現代美術館、グッゲンハイム美術館など、各国で展覧会を開催。第53回ヴェニス・ビエンナーレにドイツ館代表作家として参加した他、第10回ドクメンタなど国際展にも多数参加。

リアム・ギリックは1990年代に世界的な注目を集めた「YBA (Young British Artists)」草創期のアーティストとして知られ、ダミアン・ハースト、サラ・ルーカス等と共に英国の現代アートの新境地を拓いてきました。
ギリックの作品はすべて「生活を芸術化すること(ギリックにとって、それは理想的かつ人間的な社会生活の実現を意味する)」をテーマとしています。ミニマル・アート、カラーフィールド・ペインティング、オプ・アート等の潮流を自身の制作の土台としながら、より複合的な手法で作品を展開させ、その作品はニコラ・ブリオーのとなえた「リレーショナル・アート *1」を体現するものとも言えるでしょう。

TARO NASUでは2012年に旧作4点からなる個展を開催いたしましたが、2回目の個展となる本展では、ウォールテキスト、プラットフォーム、立体など、新作を含む十数点の作品を展示いたします。画廊における新作発表を含む個展としては、本展が日本初となります。
アルミニウムやアクリルといった工業素材を用いた“手すり”、“ドア”、そして“天蓋(プラットフォーム)”。一連の作品は社会と芸術の共存というギリックの理想を体現すると共に、社会と芸術の架け橋ともなる心理的空間を可視化する装置でもあります。ギリックの展示は、超資本主義の時代に生きるわたしたちが、今後どのような社会構築を目指すべきなのかという普遍的かつ現代的な問題を、鑑賞者に問いかけます。