Photo by Keizo Kioku

TARONASUでは11月20日より、松江泰治「makietaTYO」を開催いたします。

松江泰治| TAIJI MATSUE
1963年東京生まれ。現在、東京にて制作活動。
1987年東京大学理学部地理学科卒業。
1996年第12回東川賞新人作家賞受賞。2002年第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2012年第28回東川賞国内作家賞受賞。2013年第25回「写真の会」受賞。

主な個展は、2006年「JP-22」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、静岡)、2012年「世界・表層・時間」(IZU PHOTO MUSEUM 、静岡)、2018年「「松江泰治 地名事典|gazetteer」(広島市現代美術館、広島)、2021年「マキエタCC」(東京都写真美術館、東京 2021年11月9日ー2022年1月23日)など。主なグループ展には、2011年「アーティスト・ファイル2011―現代の作家たち」(国立新美術館、東京)、2014年「青森EARTH」(青森県立美術館、青森)、「都市と自然」札幌国際芸術祭(北海道)、巡回展「Logical Emotion」(ハウス・コンストルクティヴ美術館、スイス/クラクフ現代美術館、ポーランド/ザクセンアンハルト州立美術館、ドイツ)、2015年「俯瞰の世界図」(広島市現代美術館、広島)、2018年「ウェザーレポート」(栃木県立美術館、栃木)、巡回展「めがねと旅する美術展」(青森県立美術館/島根県立石見美術館/静岡県立美術館)など。国内外の個展、グループ展、芸術祭等に多数参加。東京国立近代美術館(東京)、国立国際美術館(大阪)、サンフランシスコ近代美術館(アメリカ)など国内外多数の美術館に作品収蔵。

協力:森ビル株式会社
今回の個展に際してご助力ご支援を賜りました森ビル株式会社関係者の皆様にこの場を借りて改めて厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。

関連展覧会「マキエタCC」
東京都写真美術館
2021年11月9日(火)- 2022年1月23日(日)
火-日 10:00-18:00(木・金曜日は20:00まで)
毎週月曜・年末年始(12/28-1/4、ただし1/2、1/3は臨時開館)休

「makietaTYO」

マキエタとはポーランド語で模型やモデル、ジオラマをさす言葉である。
2016年ポーランド取材に出かけた松江泰治は、かの地で都市の大型模型を見て、あらためてその被写体としての可能性を感じたという。
2021年11月9日より東京都写真美術館にてはじまる松江の個展「マキエタCC」には、その後制作された大型模型の写真も展示されている。松江にとっては東京の公立美術館での初個展となるこの展覧会にあわせ、TARONASUでは今回、東京の都市模型を被写体とする約20点の写真で構成される新作個展「makietaTYO」を開催する。

「撮影地」として選ばれたのは、1/1000のサイズに縮小された東京の巨大な都市模型(ジオラマ)である。
森ビル株式会社が制作し続けてきたこの「東京の模型」は港区を中心に都内13区の今が正確に再現されている。鑑賞者の身長が160cmであれば、上空約1600mの高さから眺める東京の姿が眼下に広がる設定となっており、撮影時の松江がしたように都市模型付設の台にのぼれば、さらに500m高い空からの眺めを体験できるという。風景を「地表の情報の集積」と捉え、独自の技術を駆使してその膨大な情報量を「地表の標本」として精緻な写真に再現してきた松江にとって、この細部に至るまで精巧に作りこまれた巨大模型は魅力的な被写体だった。
航空写真でしか撮影できないはずのスケールで、航空写真では不可能な高解像度の写真を撮影する。

ファインダー越しに捉えるのは、密集する住宅群や商店街とその間に埋め込まれたかのような細い路地や緑地、
林立する高層ビルと周囲の高速道路、そして大きく東京を横切っていく鉄道網。
視座の高さゆえに本来は失われるはずの細かな情報までも、模型の撮影という手法によって精確に再現したいわばスケールとディテールの融合がそこにはある。松江作品でしか見ることのできない東京が、見るものをさらなる奥へ、巨大都市東京の心奥へと誘っていくのである。