TARONASUでは6月22日より、秋吉風人「Godchildren」を開催いたします。

秋吉風人が2020年から2022年にかけて制作した29枚の絵画は、計29人のキュレーターと美術批評家へ1枚ずつ振り分けられ、その1枚にまつわるテキストの執筆と作品タイトルの命名が依頼される。執筆にあたり29人が秋吉から得られる情報は、実見、もしくは画像による作品の確認と、サイズ・素材・制作年についてのみであり、それ以外の作品に関する背景や詳細は一切明かされない。また、テキストの文字数や形式は自由であることに加え、執筆者による作品タイトル及びテキストは、各々が執筆を担当したその1枚の絵画と共に作品の一部として展示されることが前提となる。

上記の依頼内容により秋吉風人は29人の書き手に原稿作成を依頼した。今回展示されるのはその秋吉の描いた29点の絵画と、その作品が喚起して執筆された29本のテキストである。作品とテキストの関係性、たとえば両者をどのような位置づけで捉えるべきなのか、あるいは個々の作品と全体との関係など、依頼文に記された以外の枠組みや本プロジェクトの構想の前提を秋吉は積極的には言及しない。鑑賞者に委ねるつもりかどうかすら、本人の確言はない。テクノロジーの進化による情報のコントロールと一定の方向づけの問題が取り沙汰されて久しい。その現代において、秋吉の新作は、絵画という出来事をめぐる「こと」の生成と発展について改めて問いかける起点の一つになりうるだろうか。

29人の執筆者
天野太郎、飯岡陸、飯田志保子、石田大祐、大坂紘一郎、金井直、兼平彦太郎、北川智昭、木村絵理子、腰原慶子、沢山遼、角奈緒子、副田一穂、千葉真智子、堤拓也、中尾拓哉、中川千恵子、中村史子、成相肇、西田雅希、能勢陽子、野中祐美子、長谷川新、服部浩之、原田美緒、三上真理子、森啓輔、山本浩貴、渡辺亜由美

 

秋吉風人 | Futo Akiyoshi
1977年 大阪府生まれ。名古屋芸術大学大学院美術研究科修了。
2011年より文化庁新進芸術家海外研修制度にてベルリンに滞在、2018年に帰国。
現在は名古屋にて制作、活動中。名古屋芸術大学准教授。

主な個展に、2022年「22 Sep 2022」(CAPSULE、東京)、2021年「Purple, Green, Orange」(TARO NASU、東京)、2019年「絵画の何か Part3」(港まちポットラックビル、愛知)、2018年「All for one」(SEXAUER、 ベルリン)、「We meet only to Part」(TARO NASU、東京)、2016年「if nothing else」(NON Berlin、ベルリン)、2015年「Adherence」(SEXAUER、ベルリン)など。また近年の主要な参加展覧会に2018年「視覚芸術百態-19のテーマによる196の作品」(国立国際美術館、大阪)、2017年「ポーラミュージアムアネックス展2017 -繊細と躍動」(ポーラミュージアムアネックス、東京)、「19th DOMANI」(国立新美術館、東京)、2014年 「VOCA 展2014 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京)、2013年 「さわらないでくたさい!? (常設特別展)」(豊田市美術館 、愛知)、2010年「あいちトリエンナーレ」(愛知県美術館、愛知)、「絵画の庭─ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館、大阪)など。 豊田市美術館や国立国際美術館他、海外でのコレクションも多数。