"Subjective and emotive playmaking" 2016
"Subjective and emotive playmaking" 2016
"An Assembly of Solitary Amalgamations" 2016
"An Assembly of Solitary Amalgamations" 2016
"An Assembly of Solitary Amalgamations Estuary Confidence" 2016
"An Assembly of Solitary Amalgamations Moot Point" 2016
"An Assembly of Solitary Amalgamations Epic Vision" 2016


Photo by Keizo Kioku

7月のTARO NASUはライアン・ガンダーの個展を開催いたします。

ライアン・ガンダー| Ryan Gander

1976年イギリス、チェスター生まれ。現在はロンドン、サフォークにて制作活動。
「第54回ヴェネチアビエンナーレ」、「ドクメンタ(13)」、「第9回上海ビエンナーレ」などの世界的に有名な国際展に多数参加。「ドクメンタ(13)」では、メイン会場の一つであったフリデチアヌム美術館一階のメイン展示室にて、何も展示されていない 展示室のなかを吹き抜ける「風」 を作品としたインスタレーションを発表し、大きな話題となる。
最近の主な展覧会には、2013年から続く巡回展「Make every show like it’s your last」(13年 Le Plateau、フランスから巡回を始め、これ迄に4カ国6会場で開催)や、キュレーターとして参加した2016年「Night in the Museum:Ryan Gander Curates the Arts Council Collection」(Longside Gallery、イギリス)など。

本展で発表される新作は、playmobilを用いた立体のインスタレーション作品となる。
playmobilとはLEGOと並んで世界で愛される子ども向けの組立て式の人形(フィギュア)である。人間の特徴を職業や国籍、時代背景に合わせて単一的に表現することで知られる。
本展覧会で展示されるのは展示会場を取り囲む500体のフィギュアと、playmobilを模したかのように見える銅像5体。
いずれも、パーツの組み合わせが従来のplaymobilとは異なり、見慣れたフィギュアとの違和感を感じさせる。

playmobilの個々のフィギュアデザインは、人間の類型化した個性を表現している。外面的特徴を平明に表しているという点で、文化や個性の翻訳の一形式、ある種の記号的役割をもつと言えよう。
その個々のデザインパーツが不揃いに組み替えられて人形が象られた時、私たちはその人形に対してどのようなアイデンティティーを想起するだろう? 505体の小さな人形から生まれる世界観は、人間と文化に対する「常識」という私たちの既存の価値観を大きく揺るがす。

日常に見慣れたはずのものを用いて、常に新しい気づきを与えるライアン・ガンダーは、「アートの価値は想像力を刺激すること」とも述べている。
ぜひ会場でイマジネーションを巡らしてみてほしい。