"data.gram 04 [atomic orbitals]"
"data.gram 07 [molecular structure of a protein]"
"data.gram 10 [DNA sequence: whole]"
"data.gram 13 [cells]"
"data.gram 16 [human brain]"
"data.gram 19 [human body]"
"data.gram 01 [hadron collisions]"
"data.gram 39 [the large-scale structure of the universe]"
"data.gram 22 [cities]"
"data.gram 24 [flight traffics]"
"data.gram 27 [hurricanes]"
"data.gram 30 [the Moon]"
"data.gram 36 [supercluster]"
Photo by Keizo Kioku

TARONASUでは10月14日より池田亮司個展「data.gram」を開催いたします。

池田亮司 | Ryoji Ikeda
1966 年 岐阜県生まれ。パリ、京都にて制作、活動。
主な展覧会として、2022年「岡山芸術交流2022」(岡山城、岡山)、「池田亮司展」(弘前れんが倉庫美術館、青森)、2021年「Ryoji Ikeda」(180 The Strand、ロンドン)、2020年「data-verse」( Kunstmuseum Wolfsburg、ヴォルフスブルク)、2019年「Ryoji Ikeda Solo Exhibition」(臺北市立美術館、臺北)、2018年「Ryoji Ikeda | continuum」(Centre Pompidou, パリ)、2016年「supersymmetry」(KUMU Art Museum, タリン)、2015年「micro | macro」(ZKM, カールスルーエ)、2014年「supersymmetry」(山口情報芸術センター, 山口)、2009年「+/- [the infinite between 0 and 1]」(東京都現代美術館、東京)など。2019年「第58回ヴェニス・ビエンナーレ」(ヴェニス)、2018年「ウィーンフェスティバル」(ウィーン)、2015年「堂島リバービエンナーレ」(大阪)、2010年「あいちトリエンナーレ2010」(愛知)など国際展にも多数参加。2014年Prix Ars Electronica Collide@CERN Artists Residency Award、2012年Giga-Hertz-Awardサウンドアート部門、2001年Ars Electronicaデジタル音楽部Golden Nica賞を受賞。2003年World Technology Awardアート部門にノミネートされた。

今夏、弘前れんが倉庫美術館での大規模個展で国内外の注目を集めた池田亮司。今回の新作個展では、これまで聴覚と視覚の交錯を壮大かつ統一的に実現することを得意としてきた池田が、多元的小宇宙ともいうべき新しいスケール感で人間を取り巻く世界を描写する。

光と音を用いて見るものの感覚と認識の領域を支配し拡張していく池田のアプローチは、鑑賞者の世界観に新たな秩序と大きな視野を与え、無限の宇宙への思考の跳躍を誘ってきた。数学的な崇高性ともよぶべき圧倒的な存在感をもって創り出されるその体験は、主観を排した客観的な情報の集積と緻密な数学的計算によって作りだされる。それは池田にしか表現できない宇宙観であると同時に、人類のみならず宇宙に存在するあらゆる知的生命が理解しうる普遍性を備えており、来るべき未来のコミュニケーションの具現化なのである。ときに重層的に、ときに並行的に構成されてひとつのイメージに収斂し大画面に投影されてきた情報。そのそれぞれのデータをあらためて解体・分析し、個別に切り出して成立させた今回の新作は、作家自身による自らの作品の再構築、再解釈とも、あるいは巨大な大宇宙が内包する小宇宙の多様性とその精緻な完結性を讃えるものともいえよう。

今回の展示では、量子物理学、遺伝子情報、宇宙などをモチーフとする“data-verse”シリーズから展開させた新作映像13点を発表予定。現在、池田は岡山城その他の会場で開催されている大規模国際展「岡山芸術交流2022」(2022年11月27日まで)に巨大なLEDディスプレイ作品を展示中であり、その展示とあわせて、今回の画廊での個展を鑑賞する鑑賞者にとっては、大画面作品のスケール感に拮抗しうる小サイズ作品の対照的な魅力を知ることのできる貴重な機会となる。