Photo by Kei Okano

1921年アメリカ合衆国、メリーランド州生まれ。2004年没。
主な展覧会に、2017- 2018年「In the Tower: Anne Truitt」 (National Gallery of Art、Washington, D.C、アメリカ合衆国)、2016年「Intersections」 (Baltimore Museum of Art、Maryland、アメリカ合衆国)、2015年「Anne Truitt in Japan」 (Matthew Marks Gallery, New York、アメリカ合衆国)、2011年「Anne Truitt: Works from the Estate」 (Stephen Friedman Gallery、London、イギリス)、1973-74年「Anne Truitt: Sculpture and Drawings, 1961-1973」( Whitney Museum of American Art、New York、アメリカ合衆国)、1966年「Primary Structures」 (The Jewish Museum、New York、アメリカ合衆国)、1967年・1964年Truitt (南画廊、東京)、 1963年「Truitt First Solo Exhibition」 (André Emmerich Gallery、New York、アメリカ合衆国) など

アン・トゥルイットは1921年アメリカ合衆国、メリーランド州に生まれる。心理学を学び、看護師として務めたのち、40年台半ばより制作活動を始めた。初期は具象的な彫刻を手がけていたが、アド・ラインハートやバーネット・ニューマンらの作品に触れたことをきっかけに、箱や柱を思わせる幾何学的な彫刻を制作するようになった。
63年にニューヨークで初個展を開催した際訪れたクレメント・グリーンバーグは、のちにエッセイ「Recentness of Sculpture (1967)」の中で、ミニマルアートの先駆者の一人として彼女の名をあげ、高く評価した。
自身の記憶をテーマに据えたトゥルイットの作品は、抽象的な形態と色彩の組み合わせという基本的な要素において、彫刻、ドローイングとも共通している。
同時代のミニマルアーティストが行った工業的な制作方法とは異なり、一貫して自らの手作業によって作品を生み出していた彼女のドローイングは、二次元と三次元の揺れの中にその思考と試行の過程を示唆するのである。

今回、TARONASUでは、トゥルイットが最初にミニマルな彫刻を手がけた61年のものや64-67年の日本滞在時に制作されたものを含む13点のドローイングを展示する。