"vision | noisiv 08B" 2017
"vision | noisiv 09B" 2017


photo by Kei Okano

9 月の TARO NASU では 3 年ぶりとなる春木麻衣子の新作展「vision | noisiv」を開催します。
春木麻衣子| Maiko Haruki
1974 年 茨城県生まれ。玉川大学芸術学科に在籍中、Goldsmiths College に留学。
おもな展覧会に 2014 年「みることについての展開図」(TARO NASU)、「1974 年に生まれて」(群馬県立近代美術館)、「写真の 境界」(横浜市民ギャラリーあざみ野)、2011 年「photographs, whatever they are」(1223 現代絵画)など。

本展では、新作シリーズ ”vision | noisiv” 20 点を発表いたします。前作 ”みることについての展開図” (2014)では対象へ向か う視線を分解し、平面上に再構成することによって「みる」という行為を改めて考察しました。前作からの流れを汲む本シリーズで は、ある風景と別の風景を印画紙上に重ねることで、現実には存在しない空間を作り出します。

noisiv とは 「vision=視覚、像」を反転させた造語です。本作において、春木は二つの場所を被写体として選択しました。一つはア イルランドの街並や自然風景、もう一つは東京にある宇宙ミュージアムの展示風景です。二つの場所は画面上の操作によって分 断されながらも重なり合い、互いを反射しているようです。

また本展の開催に合わせ、赤々舎より新作写真集『_etc.』が出版されます。あるがままの「像=vision」と見たいものを眼差す私た ちの「視覚=vision」は一致することなく、相互に反射する関係にあると言えるでしょう。見ることの反射を巡る作家の新しい試みを ぜひご覧ください。